なぜ仕事するの?キャリアデザインは「何を大事にして」「どう生きるのか」自分の内面と向き合いながら考えること

こんにちは。強みを活かす!幸せキャリアカウンセラー 多喜まどかです。
以前、実家に帰った際、団塊の世代である父が私の夫に、自分の歩んできた人生について話しているのが耳に入ってきました。
父は何気なく言ったのでしょうが、その際にふと放った一言が忘れられません。
「何であんなに必死に働いていたのかわからないけど、あの頃は、みんなそうだったんだ。」
そんなセリフを言う父をそれまで見たことがなかったので、正直、驚きました。
きっと、あまりの忙しさに「自分が本当にやりたかったことは何なのか」を自分に問いかける余裕もなかったに違いない。
セリフの後半は遠慮しながら、しみじみと小声だった父に、私は言葉をなくし、感謝の気持ちとともに少し寂しさも覚えました。
なぜ仕事するの?
団塊の世代の方々は「なぜ仕事するの?」と問われて「家計のため、家族のため」と答えていたのかもしれません。
では現役世代の我々は、何と答えるのでしょうか。
あなたは「なぜ仕事するの?」「何のために働くの?」と問われたら、何と答えますか?
こういったセリフを、自問したことはありますか。
日本でキャリアデザインが注目されるようになったのは、1990年代後半~2000年代に入ってからのことです。
かくいう私も、社会人になりたての頃には、まだキャリアデザインは周りに普及しておらず、キャリアデザインをしようという考えさえ、ありませんでした。
ただ「なぜ仕事するの?」ということに対しては、無意識に興味を持っていたようで、新人の頃に買った本の中には「iモード」の生みの親として有名な松永真理さんの著作「なぜ仕事するの?」がありました。
- 仕事が面白くないなぁ
- 上司が嫌いだなぁ
- 結婚しようかなぁ
- でも今の彼でいいのかなぁ
- まだ遊びたいなぁ
- 年はとりたくないなぁ
- 管理職になんてなりたくないなぁ
こういった女性の悩みが出てきます。
働く女性に蔓延する思いは、いつの時代も変わらないなぁ、と思ってしまいます。
もちろん男性でも、こういう気持ちになる人は少なくないでしょう。
キャリアデザインに取り組んだことはありますか
当時はその本を読んで「わかるわかる」「私もそんな風に考えるようになっちゃうのかなぁ」という感じでしたが、今は「キャリアデザインができていない人が溢れていたんだな」と捉えている自分がいます。
2000年以降「キャリアデザイン」の概念が徐々に広がり、長時間労働の見直しや女性活躍推進などの動きで、ようやく企業も「個々のキャリアデザイン」に焦点を当てた研修や施策に少しずつ、少しずつ、取り組むようになっていきました。
今では、ワークライフバランスや女性部下を持つ管理職男性に向けての研修、両立支援の取り組みなども本格的に進み始めようとしていることは、皆さんもご存知のことと思います。
こういった背景において、まさに個人も「何を大事にして」「どう生きるのか」を自分の内面と向き合いながら真剣に考えていかないといけない時代が来ていると感じます。
私自身も、これまでの人生を振り返り「キャリアデザインの概念をもっと早く知っていたら…」という気持ちを持っています。
きっと、キャリアデザインをやろうと思っても「何をしたらいいのかわからない」「やり方がわからない」という方もいらっしゃると思います。
キャリアデザインに取り組む機会の無い方もいらっしゃると思います。
「そんな方々にこそ、”きちんとキャリアと向き合う場”を提供していくこと、お手伝いしていくことが私の役割ではないか」
最近、そんなことを考えています。
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なぜ仕事するの? (角川文庫)
松永 真理 角川書店 2001-02
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